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元旦干支

感嘆短歌

都道府県

歳時記

             
新俳画集  2019・09・25 
   海蠃廻し先ずその前に独楽造り
 秋深し忙しきことのあらねども  彩未だ褪せず十日の菊人形
    
 
アマリリスときめきの侭忘れ得ず
 
花言葉は誇り・おしゃべり・美
 
  帆待田の畔大仰に草を刈る
   
帆待田=へそくり田

 身の程を知らねば切れる蜘蛛の糸
欲をかけば地獄へ落ちる」の教訓

 
父の遺影微笑み返す額紫陽花
 
*明治天皇小憩記念碑のある庭には紫陽花・        躑躅など季節の花が絶えなかった。
                                   
 
甘酒を冷して犬と分け合えり          藤すだれ眼下に翳む鄙び宿  
 
      *流石に熱燗では犬も飲まない             *車も入れぬ秘湯宿、客は予約制


 
 街騒に慄然たりし花葵
 *
葵の花は背丈が2mにもなるので
      誇らしいように咲くのがいい
      

 
昼寝です救急車など呼ばないで
  *
80歳過ぎたらベンチで昼寝は辞めよう
   通行人が救急車 呼んだらお笑い種よ



 
梅雨晴れて腰伸ばしたる過疎部落
 *田舎は年々過疎化が進むが最近は都会を 
  捨てて田舎暮しを望む輩も多いとか

  ぶら下る蝙蝠逹谷崫守る
 *坂上田村麿とアテルイの戦場の
  地、平泉の観光地の目玉でもある

 令和てふ元号に棲む天道虫
 *令和が平静を上回る元号なのかはしらぬ。
  されどわが身は自分で守る。

 水飲んで皐月の喫茶店の隅
   →みすのんてさつきのきっさてんのすみ← 
    (回文です)     
 
 古城吹く松に絡まる蛇の衣
 *古城と言うからには文化財指定の城か
 蛇は城の守り神かも知れない

 黄昏の闇を窺ふ蛇苺
 *見るからにきれいな苺だが、毒々しい色が
  禍し蛇の名を冠する哀しさ

 芋虫の天然被災不明羽化
 *原発事故で羽化した妖虫、名前は知らない

 麦秋の端手にに光る風力計
 *原子力発電で被災し風力に頼っても
     日本の消費量には追い付けない、
 
 在りし日の妣かと紛ふ藤の揺れ
 *お藤さんが星となって三十年が経つ
          おれが逝く迄達者でな

 雨の夜は光羅潜めし金亀虫
 *黄金虫は金持ちだと言うが家では子が
  腹減ったと寝てしまう
 子が眠し)

 万緑に鎮もる切妻屋根の黙
 *人間は面白い高級マンションを好み
  つつ古代に憧れるこれを狂愁と言う 
 
 洗鯉片肌脱ぎし大胡坐
 *魚相手の海の男も洗鯉には目が無い
  ようだ帰るなり諸肌脱いで大酒盛り

 常緑杉の気こころ橋の町
*わが故郷は杉の町、橋までが杉で出来て
 いて「きごころ橋」とはいきなこと

 梅 雨 寒 の 傘 白々と 街の黙
 天気予報は「晴」だったので傘を持たずに
 出たが結局駅で白い傘を買う羽目になった。
 カサねカサね 誰にもカサねぇぞ

座して先ず熱きおしぼり夏料理
・冷たいお絞りは顔に当てた瞬間は気分が
 いいが、直ぐに汗になって帰ってくる
 暑い時程暑いおおしぼりは汗を沈めて

 爽やかさをもたらす。


 峪望む愁眉を隠す夏帽子
 
・失恋でもないだろうが夏帽子と言えども
  黒なのが気にかかる。いや、哀愁が漂う 
  清楚な感じにもみえる。そうに違いない
 
 南風吹く旅にほど良き波頭
 
浮世絵を借りての句だが夏の盛りに
 潮風に吹かれながらの船旅は至福の
 歓びがある
 
 黒南風にこころ曇らす鉢の魚(トト)
  
この金魚はガラス鉢に描かれた工房
  の一品である。焔と微妙なガラスの
  ゆがみを利用しての技は見事なり。
 
 まだ恋を知らぬ子供の水鉄砲
 
誰にもこんな時代があったのにあの純粋さは
 どこにいってしまったのたのだろう。


 
  神室嶺ゆ湧く水清き夏の川
  ♪ 神室の峰に湧く雲が
       金山側に流れきて
 ♪
 
 涼しさや風なり何故か優し鈴
 
これは回文になっている俳句だが、
  誰も気づいてくれなかった
 
  古城吹く松に絡まる蛇の衣
 もともと城の天井に棲む蛇なのだろうか。
 神に仕える蛇も脱皮するとは何故か笑える
 
 釣キチの漫画片手に岩魚釣る
 
子供の頃に「釣キチ三平」の漫画を真似た
 岩魚釣りは、漫画のようにはいかなかった



 さゆり節おはら恋唄風の盆
   酔芙蓉風に靡くきて薄化粧
 
 柘榴咲き南国の海偲ばする
 ザクロってなんとなく南国の果物のように
 感じるが、実際に食べた事は一度もない

 坂の木莬滴り糺し窟の迦座 
 さかのつくしたたりたたしくつのかさ
 
 津波禍に消えし聖堂棕櫚の花
  3・11の大震災で流出した聖堂の再建も間近い

 麗しや夕暮夏帯傘の中
 女は夕暮・和服・後姿は綺麗に見える

花火師の夜空に描く夢の華
一瞬の輝きが永遠の夢を残す

無し齧る楽しきけふが有りのみと
梨を「ありの実」とは寒いこじつけだ
 
黄昏の田の面を磨く秋の雷
雷光が豊作の導となる
      シルベ

赤筋の密航宥す放屁虫
外来の虫には外(害)虫が多い

長袖を天日に曝し秋の色 

昨日まで暑いといってたのが
長袖を着るともうあきで
ある。

三日月を置き去りにして朝焼ける
昼の月はどことなく間抜けの感があるが
三日月は捨て子のイメージかも
 
可愛ゆきに離せぬ帽子暖かし
子どもはみんなかわいいが帽子は
防寒の為だけではない

 
啓蟄の土盛上り歩き出す
土が歩く訳じゃない。暖気に誘われ
小動物や草木までが蠢くのだ。

 盆火焚く小川の端に焔を預け 
魂となった者が歩いてくる筈もないが
転ばぬように気配りをする人の心か
いい

引鶴や小雨烟りを渚より
小雨の渚を鶴がかえる。晴を待つ
余裕はない。定めの如く鶴は発つ

原爆忌忘れじの鐘高らけし
周旋から74年が過ぎた。忘れては
ならないが許してもいいものもある

ぶら歩き路地に出会ひし糸瓜棚
鑑賞ようならいいが、食用には
あまり歓迎したくない

 

派手過ぎて近寄り難し赤い羽根

秋澄むや水音白き深山なる

初鴨の未だ馴染まぬ水の嵩 
 
雁渡し交わることの無き線路
 
潮騒に歩み遅々なる十三夜

身に入むや古井戸に月くぐもりぬ 

化野の月を擽る風薄 ・あだしの

菊膾器の中に妣もゐて

身に入むや記念切手の祈念欠く
 
落ち鮎や流れに任す独り旅

秋暁や花野饒舌始まりぬ
 
緑松に恥らひ咲みぬ薄紅葉




 



とろろ汁擂鉢二つ子沢山
 
夜業の火妖しく揺らぐ四囲の闇
   望郷の果に影おく黒揚羽
    

元旦干支

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