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唯々諾々
異意駄句駄句

          いろいろな形の句 順序

      ① アナグラム句 文字を組み替え別の句にする
    ② 
十二支句  ・子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・を連ねた句
    ③ 
草・木・虫・魚・鳥・獣名を連ねた句 (名前をそのまま変換しない)
      <例>【鮭・鮫 → 酒 醒め】 【紅葉 → も見じ】といった具合に使う


 アナグラムで作る句
原 句 アナグラム

さみたれをあつめてはやしもかみかわ
五月雨を集めて早し最上川   芭蕉


    わかみかもさみたれあやをめしてはつ

   我が身かも五月雨彩を召して果つ

    てはをつれやかたもわかみさみしあめ
   出羽を連れ館も我が身寂し雨

     かわあれてかみをもつみさはやめたし
   川荒れて神を持つ身さ早めたし

さまさまのことおもひたすさくらかな
 さまざまのこと思ひ出す櫻哉  芭蕉


   
 とのさまもおこすまくらさたひさなか

   殿様も起こす枕さ旅最中

    こまのさもますたらさかなひさくおと
   齣の差も鱒・鱈・魚ひさぐ音

     おこさまもさくらのなかとさますたひ
   *お子様も桜の中と覚ます旅

さかつきにみつのなをのむこよいかな
盃に三つの名を飲む今宵かな  芭蕉


      のむさなかなみのつきよにかつをこい
     呑む最中波の月夜に鰹恋い

      かのよいのつなみをかこにさむきなつ
    彼の宵の津波を過去に寒き夏

      このみなきよいなをつつむさかのかに
    好みなきよい名を包む佐賀の蟹


さいきようのいほりもあらむはなのにわ
西行の庵もあらん花の庭  芭蕉


     あらきようのいもほりさわにはなのいむ

   荒行の芋掘り多に花の忌む

     いさりなはにのほもあらわむのきようい
   *漁りなば丹の帆も顕わ無の脅威

     むらはいさあなのほきようにわもいのり
    *村はいざ孔の補強に和も祈り


 かきつはたわれにほつくのおもひあり
杜若われに発句の思ひあり  芭蕉


      あつきはのほにつれわひもおくかりた

    厚き葉の穂に連れ侘も置く刈田

      ひもわたりはつかおくれのほにあきつ
    陽も渉り二十日遅れの穂に蜻蛉

      ひもおくりわたのほつれにあきはつか
    日も送り綿のほつれに秋果つか

おきあかるきくほのかなりみすのあと
 起きあがる菊ほのかなり水のあと 芭蕉


      あきなかくほりのあかるきみすのおと
    *秋長く濠の明るき水の音

      なみあかききりとくあすのおかのほる
    *波足掻き霧解く明日の丘登る

      あきくるとおきのほみすかなのあかり
    *秋くると沖の帆見すか汝の灯り


 うくいすやたけのこやふにおいをなく
鶯や竹の小薮に老を鳴く 芭蕉


     いけのこいくになくおやをふやすうた
    *池の鯉苦に泣く親を増やす唄


     ないをにけたいふうすくやこやのお
    *地震を逃げ台風過ぐや小屋の奥           
     
ふいにうくやたいのおくをこやけなす
    不意に浮く屋台の奥を小焼けなす


うきひとのたひにもならえきそのはえ
憂き人の旅にも習へ木曽の蝿 芭蕉


    えきのひにうえなはひともきたのそら
   *駅の灯に飢えなば人も北の空

    そはえならひえにものうききたのひと
   日照雨なら冷えにもの憂き北の人

     たきのえのそらにとひまうひえなきは
   瀧の上の空に鳶舞う冷え無きは


  はだかにはまだきさらぎのあらしかな
裸にはまだ衣更着の嵐 芭蕉

増賀上人の故事をもとに作られた句
 <きさらぎ>を ”衣を更に着る月”と
洒落た句である


    あきならはきたしにさかのたからはま
   *秋ならば北路に坂のたから浜

    またきしのさらにあらきははかかなた
   *跨ぎし野 更に荒きは波賀が灘

     はなのさかあまたはたからきらにしき
   *花の坂 数多は宝 綺羅に如き

かきよりは のりをはおいの うりもせて
 牡蠣よりは海苔をば老の売りもせで 芭蕉

 
   ははかいてもりよきうりのおりをのせ

   母がいて盛よき瓜の滓を載せ

   うりよりもははのてのりをおきいかせ
  瓜よりも母の手乗りを置き活かせ

     ははおうていのりをかせのもりよきり   
  母負うて 祈りを風の森夜霧

あきのよをうちくすしたるはなしかな
  秋の夜を打ち崩したる咄かな  芭蕉


     あきのうちすくよをかなしはなしたる

     秋の内過ぐ夜を哀し花枝垂る

       たちなかるあきのよすしをくうはなし    
     経ち流る秋の夜寿司を食う咄

     よしあしをきるなかはなすちくのうた
     葦・蘆を韯る中放す地区の唄

あききぬとつまこふほしやしかのかわ
 ☆ 秋来ぬと妻恋ふ星や鹿の革   芭蕉


     しぬほとのかわきまつこやあきふかし

   * 死ぬほどの渇き待つ子や秋深し

     きやわかしあきのことつまかしぬふほ
   * 若やぎし秋の子と妻賀しぬ父母

      あきぬきやこふかわかしとしほのまつ
   * 飽きぬ気や昆布が若しと思慕の妻

あらたふとあおはわかはのひのひかり   
あらたふと青葉若葉の日の光 芭蕉


     ひとりたひあのわかおはのはかあらふ
   * 一人旅あのわが叔母の墓洗ふ

      あおのかわひとりはたひのあかはらふ
    青野川一人は旅の垢払ふ

      ひのとはりあのおかあふはひらたかわ
   * 日の帳あの丘逢ふは平田川
かきつはたかたるもたひのひとつかな
杜若語るも旅のひとつ哉  芭 蕉


     
はたかのひたひなるつきもかとかたつ
   * 裸の灯旅なる月も角が立つ


     ひなかたるひはかたときもかつたつの
    日永たる日は片時も克つ辰野

     かもかたつひるのかたときひなはたつ
    鴨が立つ昼の片時雛は断つ

あらうみやさとによこたふあまのかわ
   荒海や佐渡に横たふ天の川  芭 蕉

       がのあまたうらとにやみよこふあわさ
     蛾の数多裏戸に闇夜恋ふ淡さ

       まとあらふみやこのそらにわかうたよ
    * 窓洗ふ 都の空に わが詩よ

        あまかやよわらふあのことみさとうた
     海女が家よ笑ふあの娘と美里唄
ふるゆきやめいしはとおくなりにけり
  降る雪や明治は遠くなりにけり 草田男

      ゆめじふりとおくにやけいはるなりき
 
   夢路古り遠くに夜景春なりき

     
はるめくやとりなきふじにおいゆけり
     春めくや鳥鳴き富士に追いゆけり

     
やどるおりくいなきにけりゆふはじめ
    
 宿る折水鶏来にけり夕はじめ
ふるいけやかはすとひこむみすのおと
 古池や蛙飛び込む水の音  芭 蕉

        のとふけすこおるはかひとやむいすみ
    * 野と更けず凍るは歌碑と病む泉

       のひとおすかこはふるいやけむとみす
     野火通す過去は古い家煙と見ず

       みすのむやおけふるおとことひかはす
     * 水飲むや桶振る男跳び躱す
このみちやゆくひとなしにあきのくれ
 この道や行く人なしに秋の暮  芭 蕉

        このあしにみちなきひとのくれゆくや
      この葦に道無き人の暮れゆくや

       なくひとのあしやゆきのにこみちくれ
      泣く人の足や雪野に小道暮れ

       ひくきことなのちやくれにあゆみしの
      低きこと名の地や暮に歩みし野
 干支を連ねた句
  十二支を仮名書きにすると21文字になり俳句の17文字に対して4文字多い。そこでその
  4文字をトリサル(取り去る)ことにした。トリサル(酉・申)文字は当然お分かりでしょう


    うま・いぬ・ひつじ・たつ・うし・とら・い・う・み・ね
   * 馬逝ぬ日辻立つ憂しと雷雨峰  (午・戌・未・辰・丑・寅・亥・卯・巳・子)

       <句意>愛馬が死んだ日、悲しみて辻に立ちつくしていると前山の峰に稲妻が走り雷雨が起こった。

   次にウマイヌ(馬逝ぬ→午・戌)を外し、トリサル(酉・申)を入れて句にすると

     さる・ひつじ・とら・う・み・ね・うし・とり・い・たつ
     然る日辻捉う峰憂し鳥居立つ   (申・未・寅・卯・巳・子・丑:酉:亥・辰)

       <句意>ある日亡き愛馬を祀る社を建てようと決め
辻から彼の峰を見るとどこかもの哀しいが
                                     そんな中 鳥居が完成した。


    俳句には字余りと言う変則が許されている。そこで全ての干支を使ってその変則句を
    作ってみよう。

    
     とら・ね・さる・とり・いぬ・ひつじ・うし・う・み・うま・い・たつ
     獲らねざる鳥逝ぬ日辻憂し海鵜舞い立つ

    
こんな句になったがどう足掻いてみても廃句としか言えまい。然し、言葉遊びとしては
      このような変則的なものも結構アイデアで勝負出来そうな気がしないでもない。

   草・木・魚・虫・鳥・獣名を連ねた句 
草・花の名 樹木の名
  薺  ・蘭   夕顔   ・土筆   ・澪標
 
なづな・らん・ゆうがお・つくし・みおつくし
 夏ならん優雅を尽くし身を尽くし
  ・樫 ・水木 ・無花果 ・楢 ・椈 ・栂 ・杉
  かし・みずき・いちじく・なら・ぶな・つが・すぎ
  河岸水漬き一字句並ぶ夏が過ぎ
 ・菖蒲 ・茄子 ・松藻 ・沈丁花 ・韮 ・芋
 
あやめ・なす・まつも・ちんちょうげ・にら・いも
 綾目なす待つも珍重げに雷も
  ・合歓 ・桜 ・蜜柑 ・朴・ 椎 ・松 ・栂 ・梨
 ・ねむ・さくら・みかん・ほお・しい・まつ・つが・なし
  眠さ眩み寒法師今恙無し
  ・麻 ・松藻 ・稗 ・野蒜 ・芋 ・鬼灯 ・茄子
  
あさ・まつも・ひえ・のびる・いも・ほほづき・なす
 朝待つも冷えの昼居も頬付きなす
  ・樫  ・胡桃 ・糯 ・梨 ・蝋梅 ・桃 ・杉
 ・かし・くるみ・もち・なし・ろうばい・もも・すぎ
  菓子包み持ち為し老婆芋も好き
   ・柑取草  ・藍 ・松藻 ・黍 ・球根 ・藻
 ・
かんとりそう・あい・まつも・きび・きゅうこん・も
  勘と理想愛待つも機微求婚も
  ・樫  ・柳  ・蔦 ・梨  ・銀杏 ・桐 ・紅葉
  ・かし・やなぎ・つた・なし・いちょう・きり。もみじ
  河岸や凪ぎ拙し一様霧も見じ
  ・藍 ・土筆 ・雪菜 ・春萱 ・明日菜 ・蘭
 ・
あい・つくし・ゆきな・はるかや・あすな・らん
  愛尽くし行きな遥かや明日ならん
  ・蝋梅  ・樫 ・木瓜 ・楢 ・楠 ・栗 ・桂 ・柘植
  ・ろうばい・かし・ぼけ・なら・くす・くり・かつら・つげ
  狼狽化し呆けなら擽り鬘接げ
     
  ・鮭 ・鮫  ・柳葉魚 ・鮠 ・鱒 ・蟹 ・鰈
  ・さけ・さめ・ししゃも・はや・ます・かに・かれい
  *酒醒めし視野も早増すかに枯葦
  
 ・蜉蝣 ・蚊 ・蜘蛛 ・蚤 ・虱 ・黄金虫
 ・かげろう・か・くも・のみ・しらみ・こがねむし
 陽炎か雲のみ白み子が眠し   
  ・鯒 ・鱶 ・シイラ ・蟹・アラ・烏賊 ・鯉 ・鰤
  ・こち・ふか・しいら・かに・あら・いか・こい・ぶり

 東風吹かし甍に荒い囲いぶり
  ・鍬形 ・蚊・ 胡蝶 ・蚊 ・浮鏖子 ・蜘蛛 ・黄蝶
  ・くわがた・か・こちょう・か・うんか・くも・きちょう

  句は形か誇張が運か句も貴重
   ・岩魚 ・鯉 ・鱶 ・鮭 ・鮒 ・蟹 ・鰯・メジ
 ・いわな・こい・ふか・さけ・ふな・かに・いわし・めじ

 言わな恋深酒不仲に言わしめじ
 ・蝿 ・毛虫 ・蚊 ・蜘蛛 ・白蟻 ・胡蝶 ・蟻
 ・はえ・けむし・か・くも・しろあり・こちょう・あり

 南風煙し斯くも城あり誇張あり
  ・ 鰹  ・鯖 ・鯉 ・白子 ・蟹 ・蛙 ・鱚
  ・かつお・さば・こい・しらす・かに・かわず・きす

 且つ押さば恋知らすかに交わすキス
  ・蜘蛛 ・竈馬 ・水 澄 ・蟻 ・蜂 ・蚊 ・蛄
  ・くも・いとど・みずすまし・あり・はち・かけら
 
 雲いとど水澄ましあり鉢かけら
 ・ムツ ・梶木 ・鮟鱇 ・カマス ・鯉 ・白子
 ・むつ・かじき・あんこう・かます・こい・しらす

 難しき暗号噛ます恋知らず
 ・蚕 ・カナカナ ・紙魚 ・羽蟻 ・天道虫
 ・かいこ・かなかな・しみ・はあり・てんとうむし

 解雇かな悲しみはあり転倒無視

     
  ・鶴 ・鴉 ・水鶏 ・雉 ・鴾 ・鴨 ・孔雀
 ・つる・からす・くいな・きじ・ひよ・かも・くじゃく

 蔓枯らす悔い無き慈悲よ寡黙寂
 ・貂 ・犬  ・麒麟 ・虎  ・鼬  ・白兎
 ・てん・いぬ・きりん・とら・いたち・しろうさぎ

 天射抜き凛と雷立ち白う岬
 ・ 寄生鳥 ・鶫 ・鶴 ・朱鷺 ・水鶏 ・雁 ・鳧
 ・
ほやどり・つぐみ・つる・とき・くいな・かり・けり
 海鞘獲りつぐ満つる時悔いなかりけり
  ・鼠 ・龍 ・虎  ・兎 ・鹿 ・ナマケモノ
 ・ねずみ・たつ・とら・うさぎ・しか・なまけもの

 寝ず見立つ捕らう詐欺師が怠け者
  ・鸚哥 ・荒鷲  ・鵞鳥 ・鷹 ・雁 ・家鴨 ・鴾
 ・いんこ・あらわし・がちょう・たか・かり・あひる・ひよ
 隠語表し画調高かり浴びる陽よ
 ・貂 ・犀 ・ハイエナ ・鹿 ・アルマジロ・鹿 ・犀
 ・てん・さい・はいえな・しか・あるまじろ・しか・さい
 
天災は家無しか有るまじ路地火災
  ・閑 古 鳥 ・鷹 ・鴉 ・鳶 ・鳧  ・雀
  ・
かんこどり・たか・からす・とび・けり・すすめ
 歓呼取り高からず跳び蹴り進め
  ・豹・ 白熊 ・豚 ・ハイエナ ・象 ・麒麟
 ・ひょう・しろくま・ぶた・はいえな・ぞう・きりん

 雹白く瞼は癒えな雑木林
   ・水鶏 ・雉 ・啄木鳥 ・鴉 ・朱鷺 ・鵜 ・鶴
  
・くいな・きじ・きつつき・からす・とき・う・つる
 悔い泣きし傷つき嗄らす時移る
  ・河馬 ・鼬 ・猫 ・マントヒヒ ・狐 ・猿・
  ・
かば・いたち・ねこ・まんとひひ・きつね・さる
 庇い断ち寝込まんと日々来つ寝ざる

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