回文塾 たいこめセ 初歩回文 俳句回文 元旦干支 感嘆短歌 都道府県 歳時記 源氏絵巻 短編小説 23区詩歌


たいこめ別冊

      

     Aは見よ逆さ読みはB     Bは見よ逆さ読みはA

   たいつりぶねにこめをあらう(鯛釣り船に米を洗う)」の略で「たいこめ」。
   同文をひっくり返すと別の文章(下ネタ)が現れることから、略して「たいこめ」
   と呼ばれるようになった
。然し、シモネタ専門の言葉遊びでは無い。前読・後読のギャップが
    大きいほど面白い。この書法は段駄羅に通じる処もあるようだ。



   
<例>@霞の 彼方    A晴れし憩いよ    B恋ある 鈴木
      
 田中の水か     宵 恋知れば     キスする愛子

   <駄目な例>A恋 人 ね 
          B寝跳び行こ(この場合はBの意味に問題があり「たいこめ」は成立しない)

啄木の歌をアナグラムでたいこめに

白鳥は哀しからずや海の青空の青にも染まず漂ふ 石川啄木
しらとりはかなしからすやうみのあおそらのあおにもそますたたよふ

 ↑この歌を基にアナグラム短歌を二首作りABとします
             夫々を逆に読めばAB BAの歌になります。                          
A→ 遠の宮 札も置かば筋にならじ 要素ら数多 粗刷りの楚歌 ←B    
 とおのみやふたもおかはすしにならしようそらあまたあらすりのそか     

    ↓   ↑   ↓  ↑               
かそのりすらあたまあらそうよしらなにしすはかおもたふやみのおと    
  B→ 過疎の利すら 頭争う世知らな 虹す墓をも絶ふ 闇の音 ←A      



逆読みにすると季語が変る「たいこめ」





 *良く噛んで知りこのよき摘みし薺
 <春>

 ・よくかんでしりこのよきつみしなつな




 *夏菜染み月夜残りし殿閣よ*    <夏>

 ・なつなしみつきよのこりしでんかくよ





 *遠霞流る春音駅に消ゆ
      <春>

 とおがすみなかるはるおとえきにきゆ




 *雪に消え通る遥かな水が音
     <冬>

 ゆきにきえとおるはるかなみすがおと



 *夏季緩ぶ仕事果つがに鐘の音   <夏>

 ・かきゆるふしごとはつがにかねのおと・




 *遠の嶺か二月は戸越し降る雪か   <冬

 ・とおのねかにがつはとごしふるゆきか



* 濃かる此の滲む畑よ浮塵子舞い  <秋>

・こかるこのにしむはたけようんかまい 




 *今寒雨避けたは無視に残る過去
    <冬>


 ・いまかんうよけたはむしにのこるかこ・

 通常の回文短歌2首です  左の回文の臍語部分を変えて「たいこめ」にします
 つたもみしなかれかわのみたきりなりきたみのわかれかなしみもたつ
蔦紅葉流れ川のみ滾り鳴り北見の別れ哀しみも断つ

 ひとりとうこいにみなくゆしおのかのおしゆくなみにいこうとりとひ
一人訪う恋にみな悔ゆ潮の香の圧しゆく波に憩う鳥飛び

 ひとりとうこいにみなくゆしおつつりきたみのわかれかなしみもたつ
一人訪う恋にみな悔ゆ詩を綴り北見の別れ哀しみも断つ
 つたもみしなかれかわのみたきりつつおしゆくなみにいこうとりとひ
蔦紅葉流れ川のみ滾りつつ 圧しゆく波に憩う鳥飛び 


  としいこいけやきなみきとしにひたりたみしりながらおおきなもりと
 
都市憩い欅並木と詩に浸り民知りながら大きな杜都
  
とりもなきおおらかなりしみたりたひにしときみなきやけいこいしと
 
鳥も鳴き大らかなりし三人旅虹と君なき夜景恋しと

  なかきろくのせめもかきつつきたてはちこさくらのめはつはるのにし
 
汝が記録載せメモ書きつ月経てば稚児桜の芽初春の虹
  
しにのるはつはめのらくさこちはてたきつつきかもめせのくろきかな
 
死に乗るは燕の落差東風果てた傷つき鴎背の黒きかな

  つめたさよくいとものこるあさはかさまたこのおもいかこいなせるや
 
冷たさよ悔いとも残る浅はかさ未だこの想い囲いなせるや
  
やるせないこかいもおのこたまさかはさあるこのもといくよさためつ
 
遣る瀬無い子飼いも男の子たまさかは些あるこの基幾夜定めつ


【短編小説風たいこめ】
【たいこめ】武蔵熱しよ<むさしねつしよ>→←<よしつねしさむ>義経辞さむ【たいこめ】
 むさしとこしろうとのものかたりかきようそうもきかなはしけにとねつしよ
 武蔵と小次郎との物語書き様相も聞かなば繁にと熱しよ
 
いけんへとかしうつうもかたきのこしろうはにくきつみとなしかおみつかつ
 異見へ咎強う。通も敵の小次郎は憎き罪と為し顔見つ。且つ
 
つうかういときむさしはかなしきとしりしとこすいはきしによるなん
 通が愛い時武蔵は悲しきと知りしと。湖水は岸に寄るなん
 
せんこくしたいたすかすしかいかつほうほしさむしひのてはきとしいあてと
 戦国時代だ。透かす視界活法星寒し日の出は輝度、四囲当処
 
いけんへしはおおうよしんさによ きたいたきたれま うてしとこの
 威厳へ志は覆うよ紳座に世 期待だ来たれ魔、討てじ何処の
 
もとしよた ねつしよかちたんきしききといさんてしかむしんたいか
 裳と恕だ。熱暑がち肝気し巍々と勇んで
む進退か
 かいたんしむかしてんさいとききしきんたちかよしつねたよしとものことしてうまれた
 快男児昔天才と聞きし公達が義経だ。義朝の子として生れた。
 
きたいたきよにさんしようおおはしへんけいとてあいしときはてのひしむさしほう
 稀代多技、夜に三条大橋、弁慶と出逢いし時果て伸びし武蔵坊
 
ほつかいかしすかすたいたしくこんせんなるよにしきはいすことしりしと
 撲戒傳かす。怠惰し苦言せんなる世に死期は何処と知りしと
 
きしなかはし さむきというかうつつか つみおかしなと みつきくにはう
 来し中恥じ、寒きと言うが現か。罪を科しなと満つ危惧に這う
 
ろしこのきたかもうつうしかとへんけいよしつねとにけしはなかきもうそうよ
 路地、此の北が毛越寺かと弁慶、義経と逃げしは永き妄想よ。
 
きかりた かのものとうろし ことしさむ
 義が理だ、彼の者訪う路地、弧とし寒。






        つたもみじながれかわのみたぎりつつおしゆくなみにいこうとりとび
     蔦紅葉 流れ川のみ滾りつつ 圧しゆく波に憩う鳥飛び    
        ひとりとうこいにみなくゆしをつづり きたみのわかれかなしみもたつ
     一人訪う恋にみな悔ゆ詩を綴り北見の別れ哀しみも断つ   
   
       とおみなるしまにせかるはなみのせか いごかなしみにまたはるはゆく
     遠海なる島に堰かるは波の瀬か以後哀しみにまた春は逝く  
       くゆはるはたまにみしなかこいがせの みなはるかぜにまじるなみおと
     悔ゆ春は偶に見し名か恋が瀬の みな春風に混じる波音   
   
        とおかすみしまにねむさくかわとありおいしげるはにましみずはやし
     遠霞 島に合歓咲く 川とあり 生い繁る葉に真清水速し   
        しやはすみしまにはるけしいおりあとわかくさむねにましみずがおと
     視野は澄み 島にはるけし庵跡 若草胸に 真清水が音   
   
        ともにえしこともよろこびねつしともわがしんおんがもどるかなしと
     共に得しことも喜び 熱しとも 吾が心音が戻る楽しき     
        きじのたるとも かんおんじ かわもとじ つねひごろよもとこしえにもと
     記事の足るとも観音寺 歌和も綴じ常日頃世もとこしえにもと  
   
        おながわや しおとなれゆくおきみなときおんさかんきおしかたしろしま
     女川や 潮と馴れゆく 沖 港 気温差寒気 牡鹿 田代島    
        ましろしたかしお きんかざんおき となみ きおくゆれなとおしやわがなを
     真白し高潮 金華山沖 砺波 記憶揺れなと 惜しや吾が名を   ←A
・  
        きしによる わかめかしおがもむえちご にいがたさどをへだつ となみかな
  
    岸に寄る 若布か潮が 揉む越後 新潟佐渡を 隔つ砺波かな     
     
       なかみなと つだへおとさだか いに こちえむもかおしかめ かわるよにじき
    
  那珂湊津田へ音定か 意に東風笑むも 顔しかめ変わる世に辞儀  ←A
   
         しにてはて いくよとずれば きははれし いごおもいしれ かことじだいと
 
    
 死にて果て幾夜閉ずれば気は晴れし以後思い知れ過去と時代と  
      
    といたしと こがれし いもを こいしれば はきはれずとよ くいてはてにし
     
 訪いたしと焦がれし妹を恋い知れば覇気晴れずとよ悔いて果てに